まず、サックスについて少し解説していきます。
正式名称はサキスフォーン。
皆さんがイメージするサックスは、おそらくアルトサックスかテナーサックスかと思います。
ウツボカズラのような特徴ある形で、首から楽器を吊り下げて吹くイメージが一般的です。
サックスには、アルトサックスとテナーサックスの他に、小ぶりで高い音の出るソプラノサックス、ブイブイと低い音を唸らせるバリトンサックスがあり、この4種類が一般的です。
他にもソプラニーノサックスやコントラバスサックスなどレアなサックスもありますが、あまりお見かけしません。
楽器本体はキンキラキンの金色ですが、サックスは金管楽器ではありません。
「リード」という葦から作られた薄い板を振動させて音を出す、木管楽器なのです。
今回はそんなサックスという楽器を独学で上達させることができる人とできない人の違い、おすすめの練習法を解説していきます。
サックスは初心者でも比較的始めやすい楽器
アルトサックスがおすすめ
サックスを始めようと思ったら、大体の人が手に取るのは、アルトサックスでしょう。
音が最も出しやすいと言われ、サックスの入口にはピッタリな楽器です。
楽器の構造上、素人でも音が出しやすいそうです。
経験談
僕もいくつかの楽器にチャレンジしました。
木管楽器にも様々な種類がありますが、最もすんなり音が鳴ったのがサックスでした。
リードを2枚重ねて音を出すオーボエとファゴットは、まるで歯が立たずウンともスンとも言いませんでした。
フルートは息が漏れに漏れてしまって、酸欠状態に。
息漏れの激しいスースーした音しか出せませんでした。
クラリネットとサックスがリードの構造はほぼ同じなのですが、クラリネットはキュインという「リードミス」と呼ばれる耳障りな音を連発。
サックスがもっともスッと音らしい音が出ました。
おそらく、木管楽器の中ではグンを抜いて始めやすい楽器です。
レッスンに通える人は通った方が良い
初心者にはとっつきやすいサックスですが、完全に独学でマスターできるものなのでしょうか。
これはあくまでも僕の見解ですが、最初の一歩はきちんとプロの先生に教わるべきです。
これは、どんなに音楽に精通していても、断言できる事です。
基本のキ、最初の一番大切な部分は、その後ずっと影響し続けるため、単発のレッスンでも受けられる事をおすすめします。
ただ、そうは言っても巷には沢山の「独学本」が並んでいます。
中には優秀で使い勝手の良いものもあるでしょう。
時間やお金が無く、独学でどうにかマスターしたいと思っている方も多いでしょう。
サックス初心者でも独学で上達する人
クラリネット経験者
もしクラリネットの経験があるのなら、完全にゼロから独学でサックスをマスターできます。
最初の項目で述べた通り、クラリネットはサックスと同じ「シングルリード」と呼ばれるリード構造の楽器で、基本的な吹き方は一緒。
その為、クラリネットの吹き方をベースに楽器を鳴らす事ができるわけです。
あとはサックスのフィンガリング(運指:どこを押さえてば何の音が出るか)を独学で勉強し、とにかく吹いて吹いて吹きまくって練習を重ねればマスターできます。
通称「エスクラ」、つまりEs管のクラリネットを吹いた経験がある方はアルトサックスもすんなり吹けると思います。
通常のクラリネットはB管なので、そちらに慣れている方は、テナーサックスから始めてみるとやりやすいでしょう。
まずは徹底的に初心者用の教材を使う
大人になってから楽器を始める人に多いのですが、初心者用の教材を少ししか使わず、すぐに少し難しめのステップへ進んでしまう人がいます。
そのような人はなかなか上達しません。
なぜなら「何が正解なのか分からない」まま練習を進めてしまうからです。
そもそも音感があるのかどうか、リズム感があるのかどうか、正しい音とはどのような音か、楽譜の通り演奏できているのか、そのあたりの正解が分からないと、自分が果たして正しい吹き方をマスターできているか確認する術がありません。
自分では歌が上手いと思っていても、客観的な指導を受けてみないことには、それがただの独りよがりなのか、本当に上手いのかわかりません。
映像を見ながら練習する
・アンブシュアという言葉を聞いてもピンとこない
・サックスのアンブシュアを知らない
・Es譜やB譜が読めない
・Es譜やB譜ってそもそも何?
・管楽器は未経験
・一応楽譜は読めるけどEs譜やB譜はよく分からない
・Es譜もB譜も読めるけれど、サックスのアンブシュアは全くもって分からない
このうちどれか1つでも当てはまる人は、初心者用の教材で、できればDVDが付いているものを選ぶようにしてください。
先ほども上で解説したように、初心者が独学で正しい吹き方をマスターしようとしても、正しい吹き方なのかを確認する術がないからです。
DVDなどで映像を見て、音を聞きながらなら、なんとか独学でも上達できると言えるでしょう。
ネットの情報だけでなくプロが教える「教材」を使う
クラリネット経験者は独学でサックスをマスターできると上で紹介しましたが、この理由は「アンブシュア」という言葉が絡んできます。
アンブシュアとは、サックスを吹く際の口の形の事を指します。
いくつか、サックスのアンブシュアについてのウェブサイトをご紹介します。
http://www.smile-sax.com/iroha/005.html
こちらは文字だけです。
http://xn--pckln2b.biz/archives/233
こちらは図も入っての解説です。
https://www.rere.jp/beginners/1987/
こちらには構え方や座り方なども含め、サックスの吹き方が細かくまとめられています。
これらを見て「分かりやすいな!早速この通りやってみよう!」と思う方がどのくらいいるでしょうか。
大抵の方が「え、えーっと、これで、良いのかな・・・?」と思いながら見よう見真似でトライすることになるでしょう。
そして音が出れば「よしっ!」と思うかもしれませんが、それが我流の吹き方なのか正しい吹き方なのか、判断してくれる方がいない中で、独学で進めるのは非常に困難です。
サックスは音が出やすいので我流の吹き方でも、音が鳴ってしまうのです。
しかし、我流の吹き方は、自分自身、そして楽器の双方を傷めます。
我流の吹き方の良くない点
- 正しい吹き方では入らない力が入り、口の周りの筋肉を必要以上に酷使してしまう
- 唇と歯の当たり方が悪く口を切ってしまう
- 息の吹き込み方が誤ったものだと楽器も傷つけてしまう
だからこそ、最初の一歩はネット上の無料で手にはいるような情報だけでの独学ではなく、きちんとプロの先生がお金をとって教えている「教材」を使うべきなのです。
もちろん、教室へ通えるなら、教材よりも教室へ通うことをお勧めします。
アンブシュアや楽譜の読み方、音楽の知識、プロの演奏方法や音、肺活量についてまで、徹底的に初心者向けに作られているのでこちらの教材がわかりやすいでしょう。
おすすめ教材のサンプル動画
おすすめ教材
途中から独学に切り替える、その時期と独学での練習法について
最初の吹き方はプロの先生に教わるとして、その後どのタイミングで独学に切り替えれば良いのか。
また、独学に切り替えてからはどのような練習をしていけば良いのか、まとめて紹介していきます。
これも、比較的簡単なことです。
独学に切り替えるタイミング
・吹き方について、先生から指導が入らなくなった
・練習方法(ロングトーンやタンギング、フィンガリングなど)がマンネリ化してきた
・自分だけの力で1曲マスターできた
この3つの条件を満たしたら、独学へシフトチェンジすれば良いでしょう。
独学に切り替えてからの練習方
独学での練習法は、マンネリ化してきた練習方法を「つまらない」などと文句を言わずにひたすら続ける事。
そして、吹きたい曲にコツコツと取り組んでいく事です。
基礎練習はとても大切なので、マンネリ化してもずっと続ける理由は「必要不可欠なルーチントレーニング」だからです。
マンネリ化してきたなぁと感じたら、その基礎練習は既に頭の中にバッチリ叩きこまれているはずなので、それをそのまま独学でも続ければ基礎力は落ちません。
吹きたいと思う曲に取り組むことでモチベーションを上げて、自力でどんどん上達するよう一生懸命練習してレベルアップを目指しましょう。
まとめ
サックスであれば、今回紹介したような正しい方法で勉強すれば、独学であっても上達することは可能です。
サックスでかっこよく、好きな曲を演奏している自分を想像しながら、モチベーションを上げて練習を続けましょう。
以上「サックスを独学で上達できる人とできない人の違い!おすすめ練習法」でした。