最近日本では、温暖化の影響なのか雷がひどい日が増えているように思います。
はっきり言って人間でも普通に怖い雷、実は飼っている犬も雷は怖いものなのです。
きっと、犬を飼っている人の中には、雷を怖がっておびえる犬の飼い主の方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、そんな雷を怖がる愛犬から、少しでも雷の恐怖を軽減してあげる方法について書いていきます。(雷を怖がる猫に対しても効果がある方法だと思います)
犬が雷を怖がる理由
まずは犬がなぜ雷を怖がるのか、その原因について知っておく必要があります。
もちろんそれは人間が雷を怖がる理由と変わらない部分もありますが、人間にはない原因のものもありますので、知っておかないと対策の取りようがありません。
音と光
これは人間とほぼ同じ理由です。
しかし、犬は自分たちで雷というものを化学的に認識することはできません。
光っているのは電気で鳴っているのは空気の振動だからこれくらいの音と光だと大丈夫だ。とか、家の中にいれば避雷針が…。なんてことは犬にはわかりようがないのです。
犬はペットの中でも頭の良い動物です。
ですから余計にこういったものを怖がる傾向にあります。
静電気
人間と違って、犬のような動物は細かい静電気を察知する能力があります。
もちろんそれは神経が発達しているという理由もありますが、一番大きな理由は体を毛でおおわれているということです。
体が毛でおおわれていることで、微量の静電気でも体毛が帯電したり逆立ちます。
そうすることで犬は静電気を察知するのです。
これは、犬にとっては危険に直結すると本能で感じてしまう不快な感覚です。
その為、おびえたりパニックに陥ったりすることがあるのです。
雷は怖いと学習してしまった
これは、犬が賢い生き物であるという本来なら長所である能力が悪く出てしまう場合です。
上で紹介したようなことが原因で、犬が雷は怖いとはっきり認識してしまうと、その学習をもとに怖がるようになります。
これはいわゆる本能行動で怖がっているのではなく、学習と経験をもとに、人間と同じ理由で雷を怖がっているものですから、なかなか手ごわい恐怖です。
出来ればこうなってしまう前に恐怖を克服させてあげたいのですが、こうなってしまっている犬も少なくありません。
具体的に犬を恐怖から守る方法
音と光に慣れさせる
人間でもそうですが、いきなり大きな刺激を与えられるとパニックになったりおびえたりします。
しかし、小さな刺激から徐々に慣れさせていくことで、そういったものから解放され恐怖を克服できるという事例はよくある話です。
一般に、このやり方を脱感作療法と言い、恐怖で体の筋肉が緊張しないようにするために行われます。
恐怖と言うのは、もちろん頭で考えてこれは怖いという感覚からおこることもあります。
しかし、人間もそうですが、特に人間ではない犬のような動物の場合は、本能行動によって引き出される体の反応が、そのまま恐怖として認知されることが普通です。
そしてその恐怖の引き金となる体の動きが、雷が鳴った瞬間の筋肉のこわばりです。
つまりこれは、いわゆる「びくっ」となる体の反応のことですが、これを起こさないように徐々に小さな刺激から慣れさせていくのが脱感作療法。
これを行うことで筋肉の緊張を防いでやれば、恐怖の引き金を引かなくて済むようになるということです。
方法は極めて簡単。
例えば、動画や音声で、小さな雷の音や光に慣れさせていけば良いのです。
もちろん最初は、恐怖を感じない程度に音や光の小さい状況から始め、だんだんとそのボリュームを上げていきます。
そうすることによって、不意の大きな雷にも体がこわばることを防ぎ、結果恐怖を鎮めることができるのです。
体を包む
今度は静電気対策です。
これは、簡単にいえば静電気が直接犬の体毛に帯電しないようにすればいいのですから、一番効果的な方法は毛布で体を包むことです。
特に、普段から犬が愛用しているブランケットや毛布でくるむと、より安心感が出るでしょう。
また、ペット用品として、雷時の静電気を軽減する服というものも販売されています。
これは「ストーム・ディフェンダー・ケープ」と言われるもので、実際使用者から効果を実感する声が上がっている、お勧めの商品です。
また、雷による静電気防止をいわゆるドライヤーシートと言われる洗濯物の静電気を防止するシートで洗った毛布などで行うと良いとしている文章を見かけます。
中には静電気防除スプレーを吹きかけた毛布で、というものもあったりします。
しかし、そのような薬剤がお宅で飼われている犬にとってアレルギー反応を引き起こす可能性もありますので、できることなら避けた方が良い方法です。
実際成功例やほかの飼い主の方の勧めがあっても、アレルギーは人間と同じく個体差で発生します。
ですので、あまりお勧めできる方法ではないのではないかと思います。
幸せな条件付け
雷が鳴ると恐怖を感じパニックになる。
そんな本能行動が引き金となる恐怖体験を繰り返してくると、犬はもう雷の気配がするあたりからおびえてしまうことになります。
つまり、これは恐怖の条件づけがなされたということです。
ならば、この恐怖の条件づけに対して全く同じ方法でカウンターを与えよう、というのがこれから説明する方法です。
いうなれば、「幸せな条件付け」とでもいうべきものです。
それは何かと言えば、雷が鳴ることを犬が喜ぶイベントにしてしまえばいいということです。
例えば、雷が鳴って光とともに音がとどろくと、その瞬間に飼い主がいつもより多めに犬を甘やかしてやるという行動をとるのです。
すると犬は、雷が鳴ると甘やかしてもらえるという経験を重ねていき、それが条件づけされていきます。
これがいわゆる幸せな条件付けです。
もちろんこれは甘やかすという方法でなくても、例えば大好きなおやつをあげる、大好きなおもちゃを出してあげる、などの方法でもかまいません。
大事なのは犬にとって雷が「いいことが起こる兆し」だと認識させることです。
お勧めの方法として、静電気対策も兼ねて、一緒に毛布にくるまって遊ぶというのが、一挙両得な感じでよいのではないかと思います。
医学的療法
色々な方法を試しても、犬の恐怖行動が全くおさまらない場合は、獣医師さんに相談してみるのも一つの手です。
もちろん、そこまでして犬の雷への恐怖を解決する必要があるのか、と思う方もいると思いますが、それは少し違うと考えます。
冒頭でも少し触れましたが、犬は雷を化学的に理解することなどできません。
ですので、性格的に雷に恐怖する犬にとって雷というのは、人間が考えているよりも何倍も恐ろしく、恐怖の対象であることは間違いないのです。
そして、人間にとってストレスが万病のもとであるように、犬にとってもそれは同じなのです。
なので、いろいろ試してみても恐怖行動がおさまらない場合は、ぜひ獣医師さんに相談してみて下さい。
きっと抗不安剤や精神安定剤を処方してもらえるはずです。
もちろんそれで、雷に恐怖しなくなるわけではありませんが、犬の感じる精神的負担が大きく軽減することは間違いではありません。
飼い主が怖がらない
そして、一番効果的で、最も大切なのがこれです。
「飼い主が怖がらない」です。
雷というのは、人間でも非常に恐ろしいものですから、これは思いのほか難しいことであることはわかっています。
しかし、犬というのは人間が飼うことのできるペットの中でも、人間に対する信頼度が非常に高い生き物です。
犬は人間をリーダーだと感じ、リーダーである人間に依存しているのです。
ですので、そのリーダーである人間が雷に恐怖し、おびえた様子を見せると最も頼りになる存在であるリーダーが恐怖するほどの圧倒的な何かを犬は感じてしまいます。
ある意味、犬にとってこれが一番恐ろしいことだと言っても間違いではありません。
そして、そうやって重なった恐怖を犬はきちんと条件付けで覚え、これは飼い主でさえ怖がるものだという恐怖の存在を学習してしまいます。
犬は賢い生き物ですから、それはしっかりと認識されてしまうのです。
ですので、できる限り落ち着いて、笑顔で犬を安心させるための行動をとれるように、飼い主は頑張りましょう。
雷恐怖症に関するその他
一説には、レトリーバー系や北欧系、もしくは牧羊犬の一部に5歳を過ぎてから発症する傾向が見られるといったデータもありますが、基本的には個体差のようです。
生まれつき臆病であったり、また、感覚の鋭い個体などが一般的に雷恐怖症になりやすいとされています。
しかし、それを事前に断定するのはほぼ不可能です。
また、雷恐怖症は年齢を重ねるごとに悪化する傾向があり、発症する確率も加齢とともに増加していきます。
高齢の犬にとって雷による恐怖は心臓に負担をかけ、思わぬ健康障害を引き起こす恐れもあります。
出来るだけ、雷恐怖症を改善する努力をした方がいいのは、こういった理由もあるのです。
まとめ
今回は、僕自身飼っている柴犬の「ケンちゃん(プロフィールで紹介しているYoutubeチャンネルのアイコン犬)」が雷恐怖症なので、対策について調べて紹介してみました。
大事なことなので繰り返しますが、犬は人間と違って雷を頭で化学的に理解できません。
雷が落ちて死んだり怪我をすることが統計的に稀で、めったにない事だなんて犬には全く分からないのです。
それはある意味、人間に置き換えて考えれば、目隠しをされたまま謎の大音響を聞かされているに等しいくらいの恐怖体験と言って良いのです。
ですので、ただの怖がりだという認識や、これくらい大丈夫だという認識は捨て、落ち着いて恐怖対策を施してあげて下さい。
例え雷が鳴ろうと、稲妻が光ろうと、あなたのそばにいることの安心感の方が、本来ならば圧倒的に大きいはずなのです。
だから、怖がらず、慌てず、余裕を持って愛犬をフォローしてください。
いつも愛犬からもらっている癒しのお返しだと思って、愛犬の恐怖心を癒してあげましょう。
以上「【ペット】雷恐怖症対策!雷を怖がる犬を助ける・怖がらなくする方法!」でした。