ピアノは小さいころから教室に通って英才教育を受けないといけない、というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
しかし、幼い頃に始める習い事は、大抵親御さんが「習わせる」ため、そういった出会いを与えてもらえなかった方も多く、大人になってから「ピアノを弾いてみたい」と憧れの想いだけを募らせることになるのです。
憧れはあるものの、楽譜も読めないし、指は動かないだろうし...、などと勝手に高いハードルを作ってしまい、大人になってからピアノを始めよう!という意欲をブロックしてしまいます。
そのような方は、安心してください。
どんなことでも、何歳からでも始められるのです。
もちろん、大人になってからピアノを始めて、一流のプロになる事は難しいでしょう。
しかし、大好きな曲を楽しく弾くことは、実は誰にだってできる事なのです。
そこで今回は、レッスンに通う余裕の無い方、まずは自分でどこまでできるかやってみたい方のために「大人のピアノ初心者の方が独学で上達する方法」を解説していきます。
独学でピアノ上達する方法
ピアノという楽器が最も初心者に「優しい」ポイントは、音感が無くても、どんなに音痴でも、楽譜で示された音符の鍵盤を押せば正しい音が出る、というところです。
歌やヴァイオリンはそういうわけにはいきませんが、ピアノはリズム感と、読譜能力があればある程度演奏することが可能なのです。
まずは楽譜を読めるようにしましょう。
楽譜を読めるようにする
ピアノは初心者だけど、他の楽器や歌などは経験している、という音楽経験者の方は楽譜が読めるでしょうし、音感、リズム感、など音楽の基礎能力はあると思いますのでこの項目は飛ばしてもらって構いません。
しかし、全く音楽経験がなく、楽譜が読めないという方は、まずは楽譜を読めるようにしましょう。
楽譜の読み方については、別に記事を書いていますので、そちらをご参照ください。
解説記事:ピアノで使う楽譜の読み方解説
ピアノを始める目的をハッキリさせる
あなたがピアノを始めたいと思った理由、きっかけ、目的は何でしょうか。
- 子どものころからの憧れ
- 何か趣味を作りたい
- 弾きたい曲がある
など、始める理由は人それぞれで、何でも構いませんが、目的によってアプローチ方法が全く違います。
例えば、基礎からきちんと学びたいという人は、簡単な曲から順を追ってステップアップしていきます。
しかし、「弾きたい曲がある」という目的をもってピアノを始める人は、順を追わなくても、弾きたい曲に取り組み始めるべきなのです。
また、基礎からきちんとピアノを学びたいという方も、長期的に見てどのレベルに到達したいかという明確なビジョンを持つことで、やるべき事が変わってきます。
簡単な曲をたくさん弾いて楽しみたいのか、ショパンのノクターンやベートーベンの月光ソナタなど、難しいクラシックの名曲を弾いてみたいのか、目的をハッキリさせることが大切なポイントです。
実際にやっていくうちに目標ができることもあるので、目的は途中で変わっても問題ありません。
その時々で自分の目指すものをハッキリとさせておきましょう。
弾きたい曲がある方の独学上達方法
ここからしばらくは、「弾きたい曲がある方の独学上達法」を解説していきます。
弾きたい曲がない方は、「今すぐ弾きたい目標の曲がない方の独学上達方法」を下の方に解説していますので、そこまで読み飛ばして下さい。
まず、弾きたい曲の楽譜を用意して、本当に自分に弾けるレベルなのかをピアノが弾ける人にチェックしてもらいましょう。
弾きたい曲がクラシック音楽でも、ポピュラーソングの場合でも、複数のアレンジで色々な楽譜が世に出回っていますので、どのレベルの楽譜が適しているか吟味する必要があります。
もし、販売されている楽譜が難しいものばかりで、初心者で挑戦するのは無謀という事になってしまった場合は、アレンジを頼めそうな人に依頼するのも良いでしょう。
得意を売り買いできるサイト「ココナラ」を利用すれば、曲のアレンジもお願いできます。
大手の編曲業者に依頼するととんでもない金額になりますが、「ココナラ」では比較的安価にアレンジを引き受けてくれるアレンジャーさんが多数出品しています。
検索で「編曲」などと探してみましょう。
参照:曲のアレンジ承ります。(ココナラ)
関連記事:ココナラ評価・評判
楽譜に音名を振っていく
楽譜が用意できたら、楽譜に掲載されている音、ひとつひとつに音名を振っていきます。
カタカナで「ド・レ・ミ」といった具合で、音符の上か下、あるいは横などにフリガナを振っていくのです。
※楽譜が読めない方は「楽譜の読み方講座」をご参照ください。
この時、ポイントになるのが「♯」と「♭」です。
白鍵を弾くのは良いですが、黒鍵を弾くのは難しいと思います。
♯(シャープ:半音上げる)は青で丸、♭(フラット:半音下げる)は黄色で丸、など自分のルールを決めて、分かりやすく視覚的に把握できるようにしておくと見やすい譜面に仕上がります。
デモ音源を何度も何度も聴きこむ
カラオケで、楽譜が読めない人でも上手に歌う事ができるのは、何度も何度も好きなアーティストの曲を聴きこんでいるからです。
これはとても大切なことです。
弾きたい曲のお手本音源は絶対に用意し、演奏する前に何度も聴きこむようにしましょう。
知人にピアノが上手な方がいらっしゃれば、その方を頼っても良いですし、「ココナラ」を活用するのも、YouTubeで同じ楽譜の演奏動画を探してみるのも良いでしょう。
関連記事:ココナラ評価・評判
デモ音源を聴きリズムと音符を合致させる
音名ルビが振られた楽譜と、デモ音源が手元に用意できたら、あとはひたすら練習あるのみです。
お手本音源の真似をするつもりで、よく聞き取り、楽譜のリズムと音符を読み解いていき、何度も繰り返し反復練習をします。
この時のポイントは、1小節ずつ区切って進めていくことです。
まず、1小節分の音名をスラスラ読めるようにしましょう。
まずはリズムだけを読み解きます。(タタターン、など、リズムだけ口に出して言えるようにします)
次に、そのリズムに音名を乗せて歌えるようにします。
慣れてきたらテンポアップして、お手本音源に合わせて歌えるかチェックします。
そこまでやって、ようやくピアノを弾く段階に入ります。
実際にピアノを弾く
鍵盤の場所と音符を一致させて、実際に指でピアノを弾いてみましょう。
最初はゆっくりのテンポからのスタートになると思います。
そこから根気強く取り組み、少しずつ少しずつテンポアップしていけば、きっと憧れの曲もスラスラ弾ける日がやってくるでしょう。
今すぐ弾きたい目標の曲がない方の独学上達方法
教本を上手に使って練習を進める
教本を使いながら、ゆっくりと確実にステップアップして上達を目指しましょう。
初心者の方におすすめの教材
これらを隅々まで読み、分からないところはインターネットなどで確認しながら、自分のペースでピアノを楽しんでください。
リラフレッチャーのピアノコースブック
のっけから長文の説明やロジスティックな解説が始まりますが、ここをしっかり読む事で独学でピアノのノウハウが分かるようになります。
先生になったつもりで、自分自身にレッスンしているように読んでみましょう。
トンプソン現代ピアノ教本
僕も子どものころとってもお世話になった教本です。
子ども向けの教本なので、とにかく分かりやすく、曲も子どもが飽きないようなラインナップで色々なテイストのものが楽しめるようになっています。
バーナムピアノテクニック
本当にシンプルで簡単な練習用の楽譜が充実しています。
1つ1つが短いため、着実にステップアップしている実感が得られると思います。
トンプソンとの併用がおすすめです。
ハノンはあまりおすすめしない理由
3つの教本を紹介しましたが、ピアノの基礎練習テキストとして超有名な「ハノン」は紹介しませんでした。
ハノンを紹介しなかった理由は、「システマティックで面白くない」という、ただその一点に尽きます。
例えて言うなら武者修行のようなテキストです。
指のトレーニングという意味ではとても優秀ですが、精密機械のようなテクニックを身につけたいプロ志向のピアニスト向け。
楽しみながらピアノテクニックを会得できる教本をおすすめしました。
30日でマスターするピアノ教本3弾セット
他の教材と比べて値段が高い教材になりますが、初心者のために、とにかく分かりやすさにこだわって作られています。
DVDで解説されているので、指使いなど、実際の演奏の仕方がわかります。
関連記事:【評価・評判】30日でマスターするピアノ教本3弾セット!は良い?
まとめ
70歳や80歳でピアノを始めて、クラシック曲を見事に弾ききった方もいると聞きます。
人間の可能性は無限大、やりたいと思ったら、遅すぎるなんてことは無いんだと思います。
みなさんも、ピアノを弾きたい!という気持ちを大切に、ポイントを押さえて独学でのトレーニング、楽しみながら頑張ってみてください。
きっと、憧れのピアノで好きな曲が弾けるようになる日がくるはずです。
以上「【趣味】大人のピアノ初心者が独学上達する方法!おすすめ教本・楽譜」でした。