ピアノやドラム、バイオリンなどの楽器演奏を録画する為の音楽用ビデオレコーダーとしてZOOM(日本の音響機器メーカー)から販売されているカメラ「Q2n」。
カメラ1台でマイクを別に買い揃える必要のない、1ボタンで動画撮影できるお手軽カメラです。
値段も楽器用とは思えないほどお手頃で、2万円弱で購入することが可能となっています。
しかし、その分画質や音質が悪いのではないかと気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで、一年前(2017年)から、実際にバイオリンの録画・録音用に使っている僕がメリット・デメリットを紹介しようと思います(演奏者は僕のYoutube投稿に協力して下さっている協力者様です)。
Q2nを使って感じたデメリット
電池の消耗がとにかく激しい
Q2nを実際に使って、最も良くないと思ったのは電池の消耗が激しいということです。
おそらく、実際に使った人はほぼ全員がこの点に悩まされているのではないかと思うほどです。
Q2nを使うなら必ず単三充電池を多めに買っておくことをお勧めします。
具体的にどれぐらい持つかというと、1000mAhの新品の充電池(充電MAX)で20~30分程度、2550mAh充電池で1時間程度しか持ちません。
特に、カメラを連続使用しているとどんどん消耗が激しくなっていきます。
1000mAhだとMax充電の2本を使っても、カメラに表示される電池残量が2/3になるのには驚きました。
Q2nはパソコン用のウェブカメラとしても使えるとのことだったので、USBをパソコンにつないだまま撮影することで電池が必要ないのではないかと思い試してみましたが、USBでの電力供給時はマイクが機能しないので使うことができませんでした。
上の画像を見てもらうとわかるように、マイクにQ2nが表示されません。
また、Q2n本体でも録画ボタンを押すことはできませんでした。
記録メディアの不具合?
公式ではmicro SDカードを採用 (最大128GB対応)とのことですが、128GB、64GB(どちらも日本製)で数十時間使ったところ、どちらも動画撮影後の保存記録に長時間掛かるようになりました。
また、64GBのmicro SDカードは最終的にエラーが出て記録できなくなってしまいました。
現在は32GBのmicro SDカードを使っていますが問題ありません。
たまたま僕の使っているQ2nに不具合があったのかわかりませんが、Q2nを頻繁に利用する予定の人は念のために32GBのmicro SDカードを使うことをお勧めします。
128GBのmicro SDカードを使用の場合、HD1080p/30fps画質で約10時間分、HD720p/30fps画質で約26時間の録画が可能とのことなので、32GBだとHD1080p/30fps画質で約2.5時間分、HD720p/30fps画質で約6.5時間の録画が可能です。
画質のデメリット
広角なレンズなので、1メートルほど離れたところにカメラを置いても上の画像のようになります。
この条件(拡大ズームなし)なら画質もそこそこ良いです。
しかし、広角単焦点レンズなので映像が少し歪んでしまいます。
また、カメラのFOVボタンで拡大ズームすることが可能ですが、デジタルズームなので画質はかなり落ちてしまいます。
MAXまで拡大すると動きが激しいものは綺麗に撮ることができませんし、動きがなくても画質が荒いことがわかってしまいます。
下の動画は拡大した状態で撮影したものです。
このYoutube動画は先ほどの撮影位置から拡大して録画したものですが、少し画質が荒くなっているのがわかるかと思います。
画質はiPhoneの方が良いのではないかと感じます。
音質のデメリット
音量の大きい楽器の音でも綺麗に録音できますし、2つのステレオマイクで立体的な録音も可能です。
また、非圧縮のWAVフォーマットでマイクとして、オーディオのみの記録をすることも可能です。
日本の音響機器メーカーとして世界中で人気の高いメーカーZOOMだけあって、音質で不満はほとんどありません。
僕はZOOMのマイクも持っていたので、バイオリンを演奏してもらった時に比較して聞いてみましたが違いは全くわかりませんでした。
しかし、演奏者のバイオリニストの方ははっきりと違うと言われていたので、楽器の音を聞き分ける耳のある人で、音質に妥協したくないと考えている人やプロのミュージシャンの方はZOOMのマイクを使って録音した方がよいと思います。
Q2nはカメラ機能も付いて2万円弱という価格なので、違いがあって当たり前ともいえるかもしれませんが、一般の人からすると違いはほぼないので、コストパフォーマスンはかなり良いと思います。
ちなみに、先ほど上で紹介したYoutubeの演奏動画はQ2nのみで撮影・録音しています。
Q2nのメリット
性能
上のデメリットで紹介した通りですが、それぞれの特徴、性能を理解した上で、しっかりとした対策をとればほぼ不満なく利用できるカメラだと思います。
電池の消耗がとにかく激しい対策:容量の大きい充電電池を使う
記録メディアの不具合?対策:32GBのmicro SDカードを使う
画質の不満解消:拡大ズームを使わない、コストパフォーマンスを考えて妥協する
音質の不満解消:コストパフォーマンスを考えるとかなり良い
その他
持っておいた方が良いもの
録画する際に角度をつけたり、高さを調整したり、撮影位置を固定するために「三脚」は必須です。
忘れずに揃えておくようにしましょう。
公式ページの機能まとめ
- 奥行きのある立体的なステレオイメージを収音するXYステレオマイク
- 明るくワイドな映像を撮影できる、F2.0/広角160°のレンズ
- ライブハウスやコンサートホールなど、音楽シーンを中心とした10種類のシーン設定
- 録音レベルを自動調整できる3種類のオートゲイン (CONCERT/MEETING/SOLO)
- 映画やミュージックビデオで標準の24フレーム/秒での録画をサポート
- 記録メディアに、micro SDカードを採用 (最大128GB対応)
- 大画面テレビに映し出せるHDMI出力 (NTSC/PAL両対応)
- 動画データは、MOVフォーマットで記録 (MPEG-4 AVC/H.264形式)
- WAVフォーマットで、オーディオのみを記録することも可能
- オーディオ機器や外部マイクを接続できるステレオミニ仕様の入力端子
- ライン/ヘッドフォン出力と、サウンドチェックに便利な内蔵スピーカー
- PC/MacとのUSB接続で、WEBカメラ/USBマイクとして使用可能
- iOSデバイスのUSBマイクとして使用可能 (別途Lightning-USBカメラアダプタが必要)
- Q2n用アクセサリーパック『APQ-2n』を別売 : 専用ソフトシェルケース、ヘアリーウィンドスクリーン、マイククリップ・アダプタ、レンズカバー、レンズフード、USBケーブル、アクセサリ・マウントアダプタを同梱
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まとめ
総合して評価すると、何も知らずに使うとあまり良くないカメラとも言えますが、今回のレビューで紹介したそれぞれの特徴を知り、改善策をとることでかなり良いコストパフォーマンスを発揮するカメラです。
このカメラを使い出してから1年経ちますが、現在も(2018年)、これだけ高性能のマイクがついたカメラでこの価格は他にはないと思います。
僕と同じように楽器演奏をYoutube投稿したい人や、手軽に自分の演奏を記録したい人など、とにかく手軽に録画したい人にはかなりオススメできると思いました。
以上「【ZOOM Q2nレビュー】ピアノやバイオリン録画!実際に使って」でした。