油絵は色鉛筆画や水彩画などと比べ、あまりなじみのないものなので難しいと思われがちです。
しかし、実際に練習し、そのコツをつかめば楽しいものです。
過去の記事に書いた事もあるのですが、僕は実際に油絵セット、教材を購入して勉強した事があります。
その時に気付いた事や勉強して学んだ、油絵の上達方法を紹介しようと思います。
油絵の特徴
数より質がものを言う
水彩画などと比べ、重ね塗りが難しく後から直し難い
色彩感覚が特に重要
デッサンは上手くいくけど油絵は上手くいかない方が多いのは、デッサンと違い、油絵は数をこなしても上手くならないからです。
つまり、経験が直結し辛いのが油絵であり、あの手この手を使ってどうにか油絵を極めなくてはいけません。
しかし、ただ思い付きで油絵を描いても何も始まらないのも事実であり、しっかり確立された油絵上達方法を学びながら油絵と向き合って行く必要があります。
油絵上達法
デッサンの練習
色を塗る前のデッサンがうまくできていないとその後の色つけもうまくいきません。
大きさや形を、影を正確に書けるように練習しましょう。
輪郭を描く時は、影を描く時と同じように鉛筆を持ち、軽い力で描くとやりやすいでしょう。
色彩感覚を鍛える練習方法
油絵上達方法とは一体何なのかと言うと、それは段階的に分けられたそれぞれの訓練、テクニックを身に付けていく事です。
まずは色彩感覚を鍛えましょう。
油絵でなくても色彩感覚は鍛えることができるので、色鉛筆画や水彩画で鍛えても良いでしょう。
2色で描く
まず、2色だけでいかにバランスの取れた美しい油絵を描いていけるかです。
ここで言う2色とは近い色を指し、例えば赤とオレンジなどです。
自分で描こうと考えている作品に合った色をチョイスし、近い色もの同士で表現します。
自分の色彩感覚を養う事が目的です。
3色以上で描く
次は3色以上で描きましょう。
ただし条件があり、3色の内訳は、上で用いた類似した色のもの同士の2色と、それに対する色もしくは遠い色を選択します。
ここでは自分の色彩感覚に幅を利かせる事が目的です。
名画を見る
名画を見ることでも色彩感覚を鍛えることができます。
美術館へ通ったり、名画の描かれている本を購入すると良いでしょう。
色使い
奥行きを表現するために「手前のものを濃く、遠くのものを薄く」、「手前のものは暖色、遠くのものは寒色」で塗ると良いでしょう。
実践
実践とは、いわば上で説明した練習の応用です。
色の数をさらに増やして描いてみましょう。
この応用こそが実践であり、本格的に作品としての油絵のスタートラインです。
ここでは、上の方法で色彩感覚を養い、色彩感覚に幅を利かせてきた応用として、自分が持つイマジネーションを最大限に膨らませ、いかに異なるもの同士の色を操るかを行います。
色の混ぜ方
絵の具を混ぜて自分の表現したい色を作りたい場合、色を混ぜすぎてしまうと濁ってしまうことがあります。
混ぜる時は3色までにしておきましょう。
明るい色に少しずつ暗い色を足していくとやりやすいと思います。
筆とナイフに慣れる
まずは丸筆・平筆・ナイフの練習をするのがおすすめです。
筆に慣れるために、まっすぐの線をかいたり、点をたくさん描く、小刻みに動かして塗る、横に動かして塗る事で筆に慣れておきます。
塗った絵の具にナイフで削り線を描いたり、ナイフの先に絵の具をつけて点を描く練習もしておきましょう。
ペインティングオイルに慣れる
ペインティングオイルとは、水彩画でいう水のようなものです。
絵の具とペインティングオイルの比率を変える事で色の濃度やつやに変化をつける事ができます。
絵の具とペインティングオイルの比率を「1:4~3:1」の中からいろいろと試して、自分のイメージに合う色を使えるようにしましょう。
重ね塗りをする時の下色はペインティングオイルを多く、リンゴの表面などのつやを出したいところは絵の具を多くすると良いでしょう。
影のつけ方
黒のみで影をつけると、真っ黒な影になり不自然になってしまいます。
黒に白を足して少し薄めるか、青や茶色などを薄めて影をつけても良いでしょう。
練習用の道具
基本的な道具は「油絵セット」を購入する事で揃えられます。
ここでは、セットの中に含まれていない、練習をする上で必要なお勧めの道具を紹介します。
ロールキャンバス
キャンバスはある程度高価なため、練習の段階であると便利な道具としてロールキャンバスがあります。
ロールキャンバスはキャンバスのお徳用と定義するのが妥当です。
本番では、本格的にキャンバスを使って作品を作り上げて行く事になりますので、ある程度の色彩感覚を身に付ける練習台として大いに役立つのが、このロールキャンバスです。
アクリル板
練習台にアクリル板を使う方もおり、いかに自分に合った方法で練習を行い、本番のキャンバスを使って油絵を描く事がスムーズにできるかが重要です。
ロールキャンバスとアクリル板、この両者の道具による違いですが、どちらも練習台として十分に役に立つ水準にはあり、どちらを使っても問題はありません。
しかし、文房具屋さんなどの絵画関連商品を扱う店舗の中には、アクリル板を扱っていない所も見受けられます。
ですから、気軽に入手出来て安心して練習を行える環境を整えるのであれば、ロールキャンバスを購入される事をおすすめします。
ベニア板
ロールキャンバスを実践さながら風に、最大限に活用する事が、本番に強くなる近道となります。
安価なべニア板を購入してキャンバスを自分で作り、そこにロールキャンバスを敷くことで、本番で作品を描き上げる時と同じ状態を作る事ができます。
そうする事で、練習で養った色彩感覚がダイレクトに本番に活かされ、油絵が上手くなるでしょう。
保管方法
乾燥期間・場所
油絵は作品が完成したら6ヶ月以上の乾燥が必要とされています。
直射日光の当たらない風通しの良い場所に保存しましょう。
まとめ
油絵は数をこなせば上手くなるものではありません。
正しいステップを踏んで、色彩感覚などの基礎を学び、自分の想像力を最大限に膨らませる事で大きく上達するものです。
今回紹介した色彩感覚を鍛える練習方法は油絵でなくても可能です。
油絵は準備や乾くまでに時間がかかってしまうので、とりあえず色彩感覚を鍛えるために他の絵を同時進行で練習するのも良い方法だと思います。
塗り絵なら、色を塗る事がメインなので色彩感覚が磨かれるでしょう。
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以上「色彩感覚を鍛えるおすすめ練習方法!油絵上達する為に」でした。