NHKの「ためしてガッテン」でも紹介されて大反響を呼んだ「マインドフルネス瞑想」。
何か難しそうな響きがある上に、瞑想なんて言葉を聞くと、精神的に訓練を積んだ人にしかできない何かのように思われる人もいるかもしれません。
しかし、そうではありません。
それは自分を今をありのままに受け止める、そんな心のメソッド。
あなたの人生を穏やかに、ゆったりとしたストレスフリーな人生を変え得る鍵でもあるのです。
海外セレブやグーグル社員までもが実践しているマインドフルネス瞑想を、一度試してみてはいかがでしょうか。
また、ストレスがなくなるだけでなく、集中力もアップするので勉強や仕事、ゲームの効率も高まります。
超ゲーマーの僕ものんびりと目を閉じてぼーっとすることが好きなこともあって、マインドフルネス瞑想を知ってからハマっています。(ただぼーっとしているだけで今までとかわらない)
そもそも瞑想とは
仏陀はストレスフリーを目指して修業した
仏陀なんて言葉が出てくると「あ、これは宗教か?!」と思う人もいるかもしれませんが、違います。
というのも仏陀ことシャカは、最初から宗教家になろうとして修業を始めた人ではなく、今風に言えばストレスフリーな人生を目指して修業を始めた人だからです。
王様の子として生まれ、元々何の苦労もなく王子様ライフを満喫していた仏陀はある日気づくのです。
人が生まれて年老いたり病気になったりを繰り返し、そして死んだりするのってものすごく怖くない?俺はそんなの耐えられないよ!と。
そこで仏陀は王宮の安楽な生活を捨て修行に出ます。
そう、仏陀は、とにかくストレスフリーな生き方を目指して修業をした人なのです。
瞑想での気づき
瞑想の果てに気づいた「ありのままを受け入れる」ということ。
何とか人生の苦しみ「生・老・病・死」から逃れたい仏陀は、数々の苦行荒行の末、瞑想という手法にたどり着きます。
そして菩提樹の下で瞑想を重ねた末に、悟りを開くのです。「それも人生だよね」と。
もちろん、これを僧侶や宗教家が聞いたら怒ってしまうかもしれませんが、でも結局はこういうことなのです。
人が苦しまずに済む方法を探していた仏陀が最後にたどり着いたのは、苦しみもまた人生の一部であってそれもありのままに受け入れよう、ということに他ならないのです。
自分の存在を広げていき世界や宇宙と同一になったとき、人生の苦しみなんてちっぽけすぎてないのと同じ。
過去の苦しい経験も、未来に起こるだろうことへの恐怖も、ないのと同じ。
今ここにある自分を一つの点と考えて、宇宙と一体になった自分を見つめれば「なんだ怖がることないな」と。
ストレスフリーを目指した仏陀は、瞑想によって、ストレスフリーな生き方を手に入れた人なのです。
本来のあるべき瞑想からそれていった瞑想
しかし、ここからは宗教です。
悟りによって仏陀が広めた仏教の長い長い歴史の中で、瞑想というのは仏陀のたどり着いた境地に至るための手段とされてしまったのです。
しかも仏陀は仏教の開祖、とんでもなく偉い人です。
真面目な仏教徒の皆さんにとって、仏陀の境地は簡単にたどり着けるものではないですし、簡単にたどり着いてはいけない物なのです。
そこで、仏陀のストレスフリーを目指した瞑想は厳しい修行の一環となり近寄りがたいものとなっていきます。
しかし、結局のところ仏陀が求めていたのは、そんなものではなく、いかにストレスのない人生を生きるかという一点であったはずなのです。
マインドフルネス瞑想の効果
瞑想の原点「ストレスフリー」
そんななか、仏教の一つの修行法として欧米に伝わった瞑想は、そこで本来の意味を取り戻します。
瞑想はなにも仏陀の高みを目指して宇宙の真理にたどり着こうとするものでも、世界の本当の姿と一体感を持とうとするものでもなく、より良い毎日を送るための手段だと。
そもそも仏陀が目指したストレスフリーに生きるための手段であると、気づいたのです。
そうして、その心の動きを科学的に分析し、論理的に解釈し、そして組み立て直したのがマインドフルネス瞑想という瞑想法なのです。
瞑想によって勝ち得た心の平穏によって、ストレスフリーな毎日を送る。
かつて仏陀が生きる上での苦しみをなくすために旅立ち、そして手に入れた悟りを一般向けに簡単にして、心安らかな人生を送るための瞑想。
マインドフルネス瞑想は、そんな瞑想の原点に立ち返った、瞑想なのです。
脳の休憩
どちらかというとマインドフルネス瞑想の効果というより、瞑想一般の効果ですが、実は人間の脳は働きっぱなしなので、これでしっかり休めます。
特に現代人は情報量が多く、脳は疲れがち。
しっかりと休ませるだけで、ストレスは大きく軽減します。
感情のコントロール術が身につく
下の項目「マインドフルネス瞑想を行う方法」で解説していきますが、マインドフルネス瞑想は、ただあるがままを認識するだけです。
たとえばマインドフルネス瞑想中は、お気に入りのケーキが売り切れだった場面を想像してしまっても、それは売り切れたという現実と売り切れて嫌な気分になる自分をただ認識するだけ。
この思考法が癖となって身につけば、実際にお気に入りのケーキが売り切れでも、ストレスが溜まることはありません。
ただその事実を認識して、それを残念だなと思う自分を認識するだけ。
これで、感情の暴走を抑えることができるのです。
不安やストレスを軽減させる
これも感情のコントロールと似ていますが、人間のストレスの大半は思い込みで出来上がります。
ちょっとした人のしぐさを勘ぐって、あの人はわたしが嫌いなのかもしれないと思ったり、雨が降っているだけで何か嫌な事が起こりそうだと思ってしまったり。
しかし、マインドフルネス瞑想で身に着けた思考法は、そんな意味のない思い込みとは縁のないものです。
物事をただあるがままに受け取り、それを客観的に見つめるだけで、物事のとらえ方が後ろ向きな思考法からフラットで平穏なとらえ方になります。
それは、無理やりポジティブシンキングになるのではなく、ありのままを感じるのです。
他人のしぐさはただそれだけのことで、雨が降るのは雨が降ったという事実だけ。それだけなのです。
その他の効果
- 集中力アップ
- 快眠
- 多幸感
- 免疫力が高まる
- 便秘解消
- 直感力・論理的思考が育つ
など
脳の休息がとれ、感情が乱れず、ストレスが軽減する。
この三つがそろうことによって、マインドフルネス瞑想の効果はたくさん現れてきます。
集中力がアップしたり、快眠できるようになったり、多幸感が生まれたり、免疫力が高まったり、便通が良くなったり、直観力や論理的思考力が育ったりと色々です。
しかしこれは、大半が最初に挙げた三つの効果の副産物。
つまり、脳が元気で、感情に振り回されず、ストレスがなくなると色々と良い事があるのです。
マインドフルネス瞑想の準備
瞑想は難しくないと認識する
これが実は一番難しいところなのですが、瞑想は別に難しい事ではありません。
前述のように、宗教化されてハードルの高くなった瞑想のイメージを持っていると、どうしても面倒なものだと思いがちなのですが、要はリラックス法です。
体と心をリラックスさせて、よりリラックスしやすい自分を作っていく。
瞑想とはそんな楽な精神状態を作り出すために行うことであるということを、しっかりと頭の中で認識しておかなければなりません。
瞑想するぞ!なんて緊張していたら、意味はゼロです。
正しい姿勢を身に着けよう
マインドフルネス瞑想において「調身」と言われる姿勢の制御。
これもまた、あまり難しく考えることなく、背筋をしっかりとまっすぐ伸ばしましょうと言ったくらいの感覚で間違いではありません。
大事なのは、おしりにしっかり体重が乗っていると感じること。
ちなみに座り方は、瞑想や座禅のイメージにあるあの座り方でもいいですし、腰や足に負担がかからなければどんな座り方でも構いません。
大事なのは頭の真下にお尻があること。
背筋を伸ばして、お尻でしっかり体重を感じる姿勢です。
正しい呼吸
マインドフルネス瞑想の呼吸法はラマーズ法のように難しいことはしません。
何度も言うように、マインドフルネス瞑想はとにかくリラックスするためのものですから、難しい方法では意味がないのです。
ではどうするか、それは鼻でゆっくり呼吸する、それだけです。
しかも無理に大きく呼吸する必要も、また小さく小刻みに、なんてことをする必要もありません、ただ自然にゆっくりと楽に大きく呼吸をすればいいのです。
特に、呼吸の速さや深さを意図的にコントロールしようとせず、自然におおらかにを心掛けてください。
正しいリラックスを身につける
リラックスしてください。と言われても人はどこかに力が入っているものです。
ですので、本当に全力でリラックスをしようと思った時は、身体を順々に点検するように、ひとつずつしっかりとゆっくりとリラックスをさせていきます。
この順番は自由ですが、よくリラックスし忘れるのが顔です。
頭や肩、腕や胸の筋肉などはすぐにリラックスできても、人間は表情筋を常に使っているせいもあって、表情筋だけリラックスし忘れることがよくあるのです。
ですので、しっかり顔までリラックスをして力を抜きましょう。
人には見せにくい顔になることもあるかもしれませんが、誰も見ていない所で行えば、心配は無用です。
マインドフルネス瞑想を行う方法
瞑想は1~30分
まず、瞑想の時間ですが1~30分くらいで行いましょう。
幅があるな、と思った方もいると思いますが、人間の生活でなかなか30分ゆっくり瞑想できる時間はとれないですよね。
マインドフルネス瞑想は、リラックスしてストレスを取り去る瞑想なのですから、時間を無理に作ってはいけません。
ですから、忙しい時は1分でも良いですし、暇なときは30分くらいを目指しましょうという意味です。
とにかく「やらなきゃいけない、何分間絶対に!」という気持ちで挑んでも効果は薄いと覚えておきましょう。
まずは呼吸を追いかける
さてここで、実際に正しい姿勢と正しい呼吸、そして正しいリラックスのもとマインドフルネス瞑想を開始します。
マインドフルネス瞑想を始めてすぐは、目を閉じて呼吸をゆっくりと意識しましょう。
このときに、呼吸を自分がコントロールしようとするのではなく、身体が自然に行っている呼吸をただ感じているだけでいいのです。
なんだか難しいな?と思った人は呼吸を後追いで認識(次の文で説明しています)してみて下さい。
呼吸をすると、おなかが膨らんだりへこんだりします。
その時に、膨らんできたら「膨らんでいるな」と思い、へこんで来たら「へこんでるな」と後追いで確認します。
あくまで後追い、先に「膨らめ」と思ったり「膨らむぞ」と思ってはいけません。
心に浮かぶことを邪魔しない
そうして呼吸を追いかけていると、頭に色々なことが浮かんできます。
いい事ばかりではなく、嫌なこともたくさん浮かんできて、どんよりとした気分になるかもしれません。
もしかするとおいしいものが浮かんできたり。
このとき瞑想を難しく考えている人だと「こういう邪念は払ってしまえ!」となりますが、マインドフルネス瞑想ではそれは厳禁。
浮かんできたものはしょうがないのです、それでいいのですから、浮かんできたものをありのままに受け入れましょう。
そして、呼吸を後追いしている時のように、後追いでそれを認識します。
「なんか嫌な事を考えちゃって嫌な気分になってるな」ですとか「焼肉が浮かんできちゃったなぁ」と、ただ後追いで認識していけば良いのです。
そして認識したら呼吸の後追いに戻ります。
周りに起こることも全部認識していく
こうしていくうちに、だんだんと感覚が研ぎ澄まされていき、小さな物音や動きが分るようになります。
これも、認識するだけで邪魔だと考えてはいけません。
やはり、呼吸や感情と同じように、こういった周囲の環境の変化や小さく聞こえる物音も後追いで認識していけば良いのです。
「あ、冷蔵庫がブンって言ったな」とか「誰かがくしゃみしたなぁ」のように認識するのです。
そして、また呼吸の認識に自然に戻っていけば良いのです。
この繰り返しがマインドフルネス瞑想の基本
- まずは呼吸を追いかける
- 心に浮かぶことを邪魔しない
- 周りに起こることも全部認識していく
呼吸を意識しながら、それを追いかけて認識する。
心に何か浮かんだときは、それを人ごとのように認識し、周りの様子が変化したり音がしたりしても、それをただあるがままに受け入れ認識する。
そして呼吸の後追いに戻る。
マインドフルネス瞑想は、この繰り返しによって成立します。
あまり色々考えずに、この繰り返しをゆっくりと堪能したら、目をゆっくりと開け現実世界になじませていきます。
マインドフルネス瞑想は、たったこれだけ。
修行も精神の強靭さも必要としない、楽で簡単な瞑想なのです。
瞑想に役立つ便利道具
マインドフルネス瞑想には基本的に道具は必要ありません。
しかし、道具を使うことによって、よりリラックス効果を高めたり、集中力を上げることも可能になります。
疲れが溜まっている人や、より短時間で効果を出したい人は便利な道具を使ってみてはどうでしょうか。
クッション
座ってマインドフルネス瞑想を行う場合は、クッションを使いましょう。
日に10時間座ってもへたらないとのコメントもつけられている高評価クッションです。
シンギングボウル
癒しの音(振動数)を持つといわれているヒーリング効果のある道具です。
僕は以前、愛知県のリトルワールドというテーマパークへ遊びに行った時にインドのエリアで購入しましたが、とても良い音色で気に入っています。
ティンシャ
ネットでティンシャやシンギングボウルの音が聴ける癒しの音サイトもあるので購入前に試し聞きすると良いでしょう。(癒しの音~Healing Sounds~)
透き通るような綺麗な音のする鐘で、リラックス効果は抜群です。
この道具も実際に使っていますが、瞑想を行う始めと終わりに鳴らすと気持ちを切り替えやすいです。
ワイヤーマンダラ
いろいろな形に変化するワイヤーでできたインドの鞠です。
現在は面白いおもちゃとして人気ですが、本来は瞑想の道具に使用されていたようです。
Amazon Kindle Unlimitedで読み放題の本
パソコンやスマホで(Kindleのタブレットがなくても)電子書籍が読み放題になるKindle Unlimited。月が変わってもぴったり30日間無料お試しできます。
2018年現在、200万冊以上読み放題のKindle Unlimited登録ページ30日無料お試しあり(瞑想の本:配信タイトル一覧)
まとめ
マインドフルネス瞑想は自分を認識する方法
このマインドフルネス瞑想には一体どんな意味があるのでしょう。
マインドフルネス瞑想の意味は、自分という人間がどんな存在で、どんなふうに存在しているのかを確かめる為だと言われています。
つまりどういうことか。
まず呼吸の後追いをやりましたね。
これは、今ここに呼吸をしてゆっくりと生きている自分がいることを追体験し認識しているということ。
そして、次に湧き出てくる感情や想いを認識しました。
これは、自分の中にある不満や欲望、不安、いら立ちなどを認識し、そんなふうに思っている自分を認識していることになるのです。
そして、周囲の変化や音は同じように、自分を取り巻く周りを認識しています。
こうして、マインドフルネス瞑想によって、あなたは自分について深く認識し、そういう認識をしている自分をもまた認識していくのです。
そこに善悪や良し悪しは存在しない
たとえばマインドフルネス瞑想中に「過去の失恋」を思い出したとします。
すると普通の状態であれば、「ああ、嫌な事を思い出しちゃったよ」となる所ですが、マインドフルネス瞑想中は「ただあるがままを認識する」ことに徹しているはずです。
つまりそれは「過去の失恋を思い出した自分」を認識するだけのこと。
いわば、嫌な事を思い出したのでも、思い出して嫌な気分になるのでもなく「過去の失恋を思い出した」ことを認識し、そんな自分を確認するだけのこと。
それは言い換えれば、ストレスの元だった出来事をただの過去の情報に変えてしまうということです。
良いとか悪いとか、有益とか不利益とかではなく、ただそこにある感情をあるがままに認識する、そしてそう感じている自分をもただ認識して確認する。
この認識をする、言い換えれば気づくという行為こそがマインドフルネス瞑想の意味なのです。
最後に
マインドフルネス瞑想は、あくまでリラックスしてストレスを払うものです。
とにかくストレスフリーになりたくて、裕福な生活を捨ててまで旅立った仏陀は、瞑想にたどり着きました。
そして、ストレスの多い現代社会の人間もまた、ストレスフリーな生活を送る効果的な方法としてマインドフルネス瞑想にたどり着いたのです。
それは高みを目指すものでも、難しい修行でもありません。リラックス法の一つなのです。
あまり肩に力を入れて挑戦するものではないので、気楽に試してみてはいかがでしょうか。
以上「NHK絶賛のマインドフルネス瞑想の効果とやり方!便利な道具」でした。