Youtubeで楽器の演奏動画・歌ってみた動画を公開する時には、「著作権」に気をつけなければいけません。
法律は知らなかったではすまされないので、動画公開する前にはしっかりとYoutubeと著作権の仕組みについて学んでおく必要があります。
しかし、インターネットで調べてもなかなかYoutubeの著作権の仕組みについて解説しているページはみつかりません。
僕自身、以前Youtubeで楽器の演奏動画を投稿する際にかなり調べましたが、結局よくわからず、弁護士に相談したり(3,4万円かかりました)、日本音楽著作権協会の「JASRAC」に連絡をとって教えて頂いたりしました。(とても丁寧で親切に教えて頂けます)
そのおかげで、今ではおおまかな仕組みを理解することができたので、今回はできるだけ分かりやすいように、ここでまとめて書いておこうと思います。
今後、Youtubeで演奏動画を公開される方の参考になればと思います。
※今回の記事はあくまでもYoutubeでの演奏動画投稿についての説明です。
他のサイトや動画配信サイトでの公開は許可されていない恐れがありますので、注意してください。
また、今後法律やルールが変わる恐れもありますので、動画公開は自己責任でお願いします。
この記事では正しく記事を書くように気をつけてはいますが、心配な人は動画公開前にJASRACに連絡をして確認されると確実です。
演奏動画・歌ってみた動画で気をつける著作権
著作者が、自己の著作物の複製・翻訳・放送・上演などを独占する権利で、知的所有権の一つ。
著作権の保護期間は、著作者の死後50年までが原則となっているようです。
著作権切れ音楽を演奏する場合
童謡やクラシック音楽など、著作権の保護期間が過ぎている音楽なら演奏しても問題ないというわけではありません。
著作権とは別に、「著作隣接権」というものがあるからです。
著作隣接権とは
「創作した人」の権利である著作権と、アーティスト(実演家)・レコード製作者・放送事業者など「伝える人」の権利である著作隣接権は、別の権利であり、利用の方法によっては同時に働くことがあります。
- 他の人が作った楽譜
- 他の人が作った音源
が演奏動画を公開する際に特に気をつけなければいけない著作隣接権です。
例えば、他の人が演奏したピアノの伴奏音などを勝手に使ったり、他の人が作った楽譜が読み取れるように動画に映す、勝手に楽譜をアレンジする、などはいけません。
楽譜アレンジの禁止やフレーズ削除の禁止などは、それぞれの楽譜の規約もありますので、使用する楽譜ごとのルールを守りましょう。
それを守れば著作権の切れている楽曲は、原曲をそのまま演奏しても、自らアレンジしたものを演奏しても問題ありません。
Youtubeでの演奏動画・歌ってみた動画投稿が許可されている楽曲の調べ方
JASRAC
JASRACとYoutubeは包括利用許諾契約を結んでいる為、JASRACで投稿許可されている楽曲であれば、Youtubeや著作者へ連絡することなく、Youtubeへの演奏動画投稿が可能です。
ジャスラックの作品データベース検索サービスから、Youtubeで演奏動画投稿が許可されている楽曲かどうか調べることができます。
作品データベース検索サービスページへ行き、「作品タイトル」に楽曲名を入力して検索しましょう。
同じタイトルの曲がたくさん出てくると思いますので、著作者、アーティストを見て、自分の探している楽曲と同じものを選びましょう。
探している曲が見つかったら、そのタイトルをクリックします。
すると新しくページが開き、
演奏 | 録音 | 出版 | 貸与 | ビデオ | 映画 | 広告 | ゲーム | 放送 | 配信 | 通カラ |
J | J | J | J | × | × | J | J | J | J | J |
のような表が書かれているページが出てくると思います。
Youtubeでの投稿が許可されているかどうかは、この表の「配信」を見ます。
「配信」の列が「青色のJマーク」だけならYoutubeでの演奏動画が許可されています。
「J」のマークでなく、「×」になっているものは許可されていません。
「#」になっているものはよくわからないので僕は演奏しないようにしています。
生放送の許可を確認する時も同じです。
僕は、はじめのころ「放送」と「配信」の違いがよくわからなかったのですが、確認したところ、「放送」はテレビなどの地上波放送を意味しているそうです。
演奏動画投稿手順
- Youtubeでの演奏動画投稿が許可されているか調べる
- 楽譜が読み取れないように演奏動画を撮影する(曲のアレンジやパート変更はしない方が良いでしょう。気になることがあれば楽譜作者や製作会社へ連絡を取り確認しましょう)
- 動画を投稿し、動画説明欄に使用した楽譜を記載してから公開する
- サムネも著作権を侵害しないように気をつける(アニメの画像など)
この手順を間違えなければまず問題はないでしょう。
しかし、それでもYoutubeの動画管理画面に著作権侵害の申し立てが来ることがあります。
僕も今までに何度も著作権侵害の申し立てが来ました。
著作権など、ルールを守っており、なにも問題がないと自信を持って言える場合は「著作権侵害の異議申立て」を行いましょう。
著作権侵害の申し立てが来たら
※自分で演奏していてもYoutubeの動画管理画面で著作権侵害の申し立てが来る場合があります。そのような時は異議申し立てを行いましょう。Youtubeサポートページに解説が書かれています。
正しいかはわかりませんが、僕が異議申し立てを行う時に書いている具体的な文章を載せておきますので参考にしてみて下さい。
今回の動画で使用している音源は全て自分で演奏したものです。
楽曲は「〜〜」で、JASRACによりYoutube配信が許可されているものです。
よろしくお願いいたします。
ゲーム音楽の演奏について
ゲーム会社は、ゲームの音楽をJASRACに委託していないので、ほとんどがYoutube公開してはいけません。
僕が弁護士に相談したところ、個人ではゲーム会社に相手にしてもらうことが難しく、許可を出してもらうことは難しいだろうと言われてしまいました。
それでも弁護士に頼んで許可の申請をしてもらおうかと思いましたが、お金もかかるので諦めました。
ただ、ゲーム動画やゲーム演奏動画はYoutubeで削除されていることはほとんどなく、ゲーム会社に黙認されていることもあるのではないかとのことでした。
どうしても投稿したい場合は自己責任で判断するか、弁護士に相談してみてください。僕はあまり相談する意味はありませんでしたが、弁護士によっては違う回答をしてくれるかもしれません。
許可をくれるゲーム会社
そんなゲーム会社ですが、「任天堂」はYoutube動画として公開することを許可してくれています。
任天堂クリエイターズプログラムという、YouTubeの広告収益を任天堂とシェアするサービスを利用すれば良いのです。
任天堂に確認したところ、任天堂クリエイターズプログラムで許可の出ているゲームタイトルであれば、ゲームプレイ動画だけでなく、音楽の演奏動画なども良いとのことでした。
※2018年に任天堂クリエイターズプログラムは廃止されました。
現在ではそのような登録をする必要は無くなり、任天堂のガイドラインに従いさえすればYouTubeに直接アップしても良いことになりました。
まとめ
法律はとても複雑に作られており、インターネットで調べてもなかなかわからないことが多いと思います。
僕は名古屋の弁護士事務所へ行きいろいろと相談したので3,4万円ほどかかってしまいましたが、最近ではインターネットでも無料で弁護士に相談できるサイトなどもあるので、どうしても気になることがある人は相談してみると簡単に解決できるかもしれません。
僕はココナラ というサイトを使っていますが、無料・匿名で弁護士に法律Q&Aページから無料で弁護士に相談できます。
以上「【著作権】YouTubeで演奏動画の公開が許可されている音楽の調べ方」でした。