みなさんはシンギュラリティという言葉をご存知ですか?
これは技術的特異点という言葉で、簡単に言うと、人間がAI(人工知能)に追い抜かれてしまうことによっておこる予測不能な世界という意味です。
というと、途端にSFチックというか都市伝説っぽくなってきますよね。
しかし、本当にそれを架空の都市伝説だと考えてもよいのでしょうか?
実はそうそう楽観視していられるようなものではないのです。
シンギュラリティは本当に起こるのか
- レイ・カーツワイル博士
- イーロン・マスク
- ビル・ゲイツ
- スティーブン・ホーキング
はっきり言って、このシンギュラリティが起こる可能性は、限りなく100%に近いと思っていいでしょう。
では、なぜその様なことが言えるのか、各界の権威の言葉を借りて考えてみましょう。
シンギュラリティの提唱者 レイ・カーツワイル博士
まずはシンギュラリティの生みの親ともいえる、レイ・カーツワイル博士です。
博士は人工知能の権威といわれる人で、少なくとも2045年までには人間とAIの優位性が逆転するシンギュラリティが起こると予測を立てています。
これが有名な2045年問題という言葉の発端です。
博士は、人間の知能をAIが越えると、AIがAIを進化させてゆき、事実上人類最後の発明はAIになると警鐘を鳴らしているのです。
テスラモーターズ会長 イーロン・マスク
彼はAIに警鐘を鳴らし続けている人物で「人はAIによって悪魔を呼び出そうとしている」と発言しています。
また、人間の知能を超えてしまうだろうAIが殺人兵器に使われることを懸念して、自律型殺人兵器の使用を禁止するように国連へ訴えかける活動なども行っています。
マイクロソフト創業者 ビル・ゲイツ
言わずと知れたマイクロソフトの生みの親、ビル・ゲイツ。
彼もAIに対して懸念を訴えている人物の一人で、彼はAIの脅威に対する質問に対し「わたしも超知能に関して懸念を抱いている側の1人だ」と答えました。
そして続けて
「当面、機械は今後もわれわれのために多くのことをしてくれるはずで超知的にはならない。
うまく管理すれば、これ自体はプラスに評価できる。
だが、こうした状況から数十年後には、知能が強力になり、懸念をもたらす。」
と答え、AIに対する懸念を訴えています。
世界的天才 スティーブン・ホーキング
先日惜しくもなくなった世界を代表する天才的頭脳の持ち主、スティーブン・ホーキング博士。
かれもまた、AIの脅威を訴える一人。
かれは「人工知能の進化は人類の終焉を意味する」とさえ発言し、核兵器も含めて「人類の最悪の発明であり、人類最強の脅威である」とも訴えています。
世界最高の頭脳としてアインシュタインと並び称されるホーキング博士の言葉には、かなりの説得力を感じざるを得ません。
AIに奪われる仕事
このように、多くの有名人著名人がAIの脅威を訴え、人類を超える日は確実に来ると警鐘を鳴らしています。
また、多くの技術者もその様に考えており、実際すでに様々な分野でAIに対して人間の優位性は奪われつつあるのです。
AIは確実に人間を超え、人間はこの地球上に文明を作り上げて以来、初めてNo2の座に落とされます。
これまで、世界の歴史といえば人間が刻んで来た歴史のことを言いますが、この先シンギュラリティが起こると、もはや人間の歴史は世界の歴史ではなくなるのです。
それはどういうことなのか、AIと人間の立場の逆転によっておこるのは、まずは仕事の喪失です。
単純労働はほとんどAIに奪われる
- 力仕事
- 精密仕事
- 単純労働の繰り返し
など
これはもう、考えられる範囲で一番想像しやすいのですが、単純労働に人間の居場所はなくなります。
もし残るとしたら「人間を養うための働き場所を確保する」という名目でAIに譲ってもらうという形でしょう。
特に工場での労働などに関しては、はっきり言って人間のかなうことはありません。
「力仕事」「精密仕事」そして「単純労働の繰り返し」と、どれを取っても人間が機械にかなうわけもなく、またその制御をAIがこなしてしまえば日本の得意分野「改善」までも機械が勝手に行います。
今、まだそうなっていないのはAIを搭載した機械が高いからです。
しかし、AIの値段が下がれば、人手不足と労働者人口の減少言い訳に、労働者を切って機械に変えていく企業は激増することでしょう。
知識に偏重した特殊技能
- 司法書士
- 公認会計士
- 弁理士
- 税理士
など
次になくなるのは、知識に偏重した特殊技能、いわゆるデスク系の仕事です。
つまりは、司法書士・公認会計士・弁理士・税理士といった職業のことで、こういったフォーマットさえ覚えればいい仕事というのは、人間がやる必要はなくなります。
2017年9月の日経新聞には、弁理士や税理士の約93%が、そして公認会計士で約86%、司法書士で約78%がAIに仕事を奪われるという衝撃的な予測が掲載されました。
工場労働のような単純作業と比べると、これは少し意外な結果に見えるかもしれません。
しかし、ある意味フォーマットに従って行われる単純作業という点においては、これもAIにとってみれば工場労働と変わらないものです。
企業に当たり前のように会計ソフトがある現状を考えると、納得できるのではないでしょうか。
接客と事務
接客がAIにとって代わられる未来、というのは人によっては想像しづらいかもしれません。
しかし、駅やホテル、もしくは、最近では一部のファストフードなどでも、完全機械化されたレジシステムや接客システムがもうすでに運用されています。
ビジネスホテルなどでも、そもそもフロントマンがいなくて精算機だけが置いてあるところは珍しくないですよね。
駅もそうです、想像してみてください、あなたが駅で電車に乗る時に、駅員さんと声を交わしあうことがありますか?いや、駅員さんの労働がそこに介入することがありますか?
ほとんどありませんよね。
実はもうすでに、そこに人間の必要性はないのです。
今はまだ「雇用の確保」と「コスト」の二点において、駅に駅員さんはいますし、ホテルのフロントに人が立ってはいますが、この二点が解消されれば、もう必要はありません。
これは銀行の窓口業務や役所の窓口業などの窓口業務も同じですし、受付係や、一般事務員も同じです。
要は、仕事を処理する能力において人間はAIにはかなわないのですから、接客にしろ事務にしろ、効率と能率において人間は全くかないません。
住民票をお願いして出てくるまで、人間だと時間がかかって下手すると数分かかりますが、AIなら1秒もかかりません。
市役所や区役所の大きさがATMほどになって、コンビニに並べておかれるようになっても、さほど不思議ではないのです。
清掃員や警備員
これはもうわかりますよね。
定期的に監視する巡回する、そして掃除するといった仕事はAIにはうってつけです。
詳しい説明の必要もないほどに。
AIに奪われない仕事
シンギュラリティを超えて、多くの仕事が奪われていき、試算では約半分は10年後になくなるといわれています。
しかし、いまはまだAIでは届かないスキルを人間が発揮できる仕事もあるのです。
あくまでも、「いまはまだ」ですがそれでも人間の働く場所という点において、それは希望です。
高度な人間関係を要する仕事
AIによって当面は奪われない仕事に、高度な人間関係を要するものがあります。
これは世界的には弁護士などの司法関係がよく取りざたされますが、日本においては、ある意味カウンセラーの役目も果たしている医師などもAIにとって代わることは今のところないでしょう。
ほかにも、カウンセラーや介護士、警察官、バーテンダーやホストやホステス、といった複雑な人間関係を仕事の中に内包する職業は、中々なくなりません。
クリエイティブな職業
次に今のところは大丈夫なのが、クリエイティブな職業、つまりクリエイターです。
作家・画家・作曲家・作詞家など何かをゼロから想像していくような作業は、まだまだAIには苦手な分野ですし、クライアントの細やかな注文に対して、人間的に応じるという部分が欠かせない仕事でもあります。
たとえば「最後の部分さ、なんとなく、こう、ドーンって感じで」はAIにはさすがにまだ伝わりません。
エンタメとスポーツ
将棋の名人がAIに敗れましたが、現実に将棋人気は藤井聡太棋士の影響などで上り調子。
AIに制御されたロボット選手がグラウンドやピッチを駆け回って野球やサッカーをやって楽しいと思えるかといえば微妙ですし、ロボットのリアクション芸はきっと面白くはないでしょう。
ボーカロイドというある種AIの歌手もいますが、やはりあれも主流になるものではありません。
この分野も、まだ、大丈夫です。
AIの補助をする仕事
悲しい話ですが、これから一番将来性があるのはここです。
つまりAIという人工知能が快適にそして効率的に働いていくための補助をするという仕事です。
これまで、AIは人間が働くことの補助として使われてきましたが、その関係性が逆転するということになれば、AIの補助をAIがするようになるまでは「使ってもらえる」はずです。
いかに柔軟な人間になれるか
ここまで、シンギュラリティの脅威と、身近な例として仕事について考えてきました。
はっきり言って、僕たちが生きているかどうかわからない100年後の世界においては、もうどうにもならないくらいAIが優位性を発揮し、対処のしようはなくなっているでしょう。
しかし、僕たちが生きている間は、まだ、何とか人間らしく仕事をし生きていくという余地があります。
その時、最も重要なものは何か、それは柔軟で常識にとらわれない思考をいかにもてるかということなのです。
というのも、上で述べたAIに奪われる仕事や奪われない仕事というのも「今のところ」の話であり、今後どうなるかは誰にも予測は付かないのです。
何せ、AIは人間を超えるのですから。いかに権威や知識人でも、AIの作る未来は予測できません。
そうなったとき、変化する時代に柔軟に対応し、そして常識にとらわれずにフレキシブルに働ける人材になっていることができるのか。
これからの人類は、そんなフレキシブルな思考力こそ大事になってくるはずなのです。
以上「シンギュラリティは起こる?今後の仕事の働き方について考える」でした。
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